あだ名禁止。いじめは防げるか?その賛否は?

      2022/07/11


ここのところ生徒同士であだ名で呼び合うことを禁止する小学校のことが話題に

なっています。中には校則にそのことを掲載している学校もあるとのこと。


あだ名をやめてお互いに「〇〇さん」と「さん付け」で呼び合うように推奨され

ているそうで、そのことについて様々なところから賛否の意見が出ているようで

す。



結論から言うと

先に結論から言うと、個人的な考えになりますが、あだ名を禁止することで

いじめの防止にはならないと考えます。

かえっていじめが表に出ない陰湿化したものになると思います。





それぞれの立場からの意見を見てみると、まず賛成からは、

「小さいうちから相手を尊重するという素地を育めば、人を攻撃するような

行動はとらないはずだ」というある学校の校長の意見。


「傷付かない、人とけんかにならないとか。嫌なあだ名を付けて、けんかになっ

ちゃうと、元も子もないから。『さん付け』は、それが良いところだなと思う」

という小学生の意見。

また「『あだ名禁止です』ではなくて『さん付け』をしますという位置付け。

人の呼び方は、三通りある。それは、敬称と愛称と蔑称というくくり。学校に来

ることは、とても素晴らしいこと。そこで、さげすんだ蔑称で呼ばれたりという

のは、あってはならない。なので、私たちが禁止しているのは蔑称であって、決

して愛称に関して批判しているわけではない」

といった多少緩い感じの意見もあります。








いじめの防止になる?

賛成する人から見れば、小学校の頃から「さん付け」することで、

それがいじめの防止になる、と考えられているようです。

確かに嫌なあだ名をつけられ、そのことでいじめられることがある、

というより、いじめとして嫌がるあだ名をつけることもあるでしょう。

その面から考えればあだ名禁止も一つの考え方かもしれません。





賛否の意見のもう一方は

賛否の意見があるのですから、次に反対の意見を見てみます。

周りと距離が出来て友達同士の交流の妨げになる。

昔は子供たちが愛称で呼び合った。その効果か、クラスはにぎやかだった。

あだ名を禁止するのではなく、嫌がるあだ名で呼ぶことを禁止すればいい。

呼ばれる側の気持ちに配慮するように教師が気を配ればいい。

上記のように反対意見もいろいろなようです。



ここで一つ大事なことを忘れていました。

教育現場ですから文部科学省の見解はどうなんでしょう?

文部科学省では指導はしておらず、担当者は「あだ名にはプラスとマイナスの

両面がある。相手をどう呼ぶかは、相手がどう受け止めるのかに尽きる」。

ということで、「さん付け」については指導はしていません。







まとめ  
        

あくまでも呼ばれる側の気持ちに寄り添ったあだ名であれば、

それで構わないと思います。



それに「さん付け」にしたらいじめが防止できるのでしょうか?

いじめについては別問題ではないかと思います。

子供達の学校生活を「型にはめる」ことでいろいろな問題が解決する

と考えることはむしろ教育の責任逃れになるのでは。そう思います。



ただし、ここではあくまでも今現在議論になっている「さん付け」に

ついて考えてみました。

LGBTについての「さん付け」についてはまた別問題と捉えました。

その議論はまた別の機会に。






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